Active Feeling

ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
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本山の物件
デザイン設計事務所を始めて四半世紀が過ぎた今、思っていることを少し書いてみます。

アクティブにデザインに関っていこうと思い、始めた「ACTIVE DESIGN」。
店舗デザイン・インテリアデザイン・家具デザイン・住宅設計・建築設計、そしてそれらを
造るチームA+Dプロジェクト。必死に走り続けてようやくここまでたどり着いた27年でした。
まだまだ決して完成しているわけではないけれど、振り返ってみれば、一通りやり終えた感がないでもない。
それよりも、これからのスタンスを考えた時、果たしてどこに進めばいいのだろうかという
漠然とした不安感に悶々としている時期に、ふと見つけた一件の中古住宅がある。



築44年のコンクリート造の住宅。昭和45年(1970年)完成の建物だ。
設計者は不明だが、2月に東京で見た平田邸にも似た、モダニズム住宅の雰囲気も醸し出している。
住宅としてはかなり大きな建物であるが、デザインは菊竹清訓氏のスカイハウスあたりを彷彿とさせる。
しかし、不動産会社は更地にして売るつもりらしい。

ネットの不動産情報で見つけたその住宅は、熊本市中央区本山にある。本山といえば私が子供の頃過ごした地域であり、まさに私が小学生の頃、その家はすでにそこにあったはずだが、そんな建物があったという記憶はなかった。
けれど、とにかく気になったのですぐに見に行った。
不動産屋さんに鍵を開けてもらい、中を見せてもらって、ますます胸が高鳴った。
これを壊すのはもったいない!
心の底に眠っていた何かが目覚め始め、引き寄せられるような不思議な感覚に陥った瞬間だった。

昭和45年当時の耐震構造ということもあり、耐震補強や、建物の老朽化に伴う修繕・リフォームを行えば、それなりの費用が必要となる。売り手としては、建物を取り壊して更地にした方が売りやすいというのは理解できる。
だが、この建物を現在建てようとすると億近い金額が必要なはずだ。この物件に限らず、古いからといういう理由だけで、建物を簡単に取り壊してしまうのはいかがなものなのか。

おそらくこのまま取り壊される運命である建物を前に、どうしたらこの建物を救えるかを考える。

私自身が購入するのが一番手っ取り早いのだが、あいにく、住まいも事務所もすでにあるので、古い建物をリノベーションして住みたいという施主がいれば、順序立てて耐震について、工事費用について、リノベーションのアイデアも含めて提案することもできる。

でもそう簡単にタイミングよく見つかる訳でもなく、時間だけが過ぎて、きっと解体されるのだろうと考えると、何か事を起こさないという感情が湧いてきた。
古い戸建住宅は一般的に解体して更地渡し。不動産での一般評価で考えれば常識であることも、私にはそうは思えない。この建物に関しても、そのまま住みたいという人が見つかりさえすれば壊さなくて済むのだから、そういう人たちを繋ぐことがこれからの私の使命かもしれない。






そういう結論にたどり着いたことで、少し私の今後の方向性が見えてきた瞬間でした。
| 不動産物件 | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0)
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