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ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
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神戸・瀬戸内への旅3 豊島(てしま)編
 
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犬島のチケットセンターのおじさんから、「豊島行の船の切符はもうないよ」と言われた時は一瞬青くなりましたが、直島が休みのこの日、その他の島へと人が集中していたため、臨時の船を出してくれることになり、無事豊島へと渡ることができました。



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瀬戸内国際芸術祭では公式ガイドブックが出版されており、これに各島の施設やアートの紹介はもちろん、船やバスの時刻表や宿泊情報など至れり尽くせりの情報が満載です。ほとんどの人がこのガイドブックを手に周っていました。

それと右は作品鑑賞パスポート。これがあると、入り口でいちいち入場料を払わなくてよく、一部別途料金が必要な施設もありますが、割引料金が適用になるので、たくさん回る場合は必須です。※このパスポートは夏シーズ用。


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約30分で豊島の港、家浦港に到着(といっても犬島や直島と行き来する船の発着場所は若干離れた場所にある)
犬島に比べると豊島はだいぶ大きい島なので、レンタサイクルがおすすめとガイドブックにあったのですが、すでにどこのレンタル屋さんも自転車は出払っており、町営バスで移動することに。

この時すでに13:30。
今日の宿泊地・直島行の船は、16:25発が最終なので、それまでにこの宮浦港に帰って来るためには、かなり駆け足で周らないといけません。それでも全部は無理なので、取りあえず一番見たい「豊島美術館」へ行くことにして、バスに乗り込む。



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豊島美術館前のバス停で下車すると、目に飛び込んできたのは瀬戸内の美しい海。


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そして道端の青々とした棚田の風景のなかに、白くて丸い建物が。


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その前に、この美しい棚田についての説明がありましたので、読んでみると意外な顛末が。

もともと豊島は湧水が豊富で、稲作や漁業、酪農が栄えた、食の豊かな島でした。しかし産業構造の変化や、過疎化・高齢化によって耕作放棄地が増え、島を美しく彩っていた棚田は、草や竹、樹木に覆われ、荒れ果てた姿に変わってしまいました。また、高度経済成長に伴い、都会から大量の産業廃棄物を運び込んでの不法投棄が発覚。「ごみの島」として知られるようになってしまいました。そんな中、3年前の第1回瀬戸内国際芸術祭を契機に、島の自治会や各種団体が豊島美術館を運営する福武財団、香川県と協力して、豊島「食プロジェクト」推進協議会を設立したのだそうです。そしてその中の事業の一つが「棚田プロジェクト」です。

しかし、一旦荒れてしまった土地を稲作に適した状態まで復元するのは容易なことではなく、稲作はできなくても畑作が可能なところには野菜や果樹を植え、それもできない場所は、再び荒地に戻らないように草を刈り、ヤギや牛を放牧しているとのこと。やはり、美しい景観は、人が手をかけてこそ守られるものだということを改めて教えられました。今回この芸術祭を訪れているのは大部分が若者であること。そしてこういったプロジェクトに積極的に参加している若者も多いということに、ひとすじの希望を感じつつ、海風にたなびく青々とした棚田を眺めたひとときでした。



豊島美術館(設計:西沢立衛、アート:内藤礼)

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さて、その棚田から豊島美術館の入り口へと坂道を降りていくと、何やら行列ができています。一抹の不安を感じながら列の前へと進むと、スタッフが整理券を配っていました。渡された整理券に書いてあったのは「16:00」の文字。「ただ今、大変混雑しておりますので、入場制限を行っております」とスタッフ。しかし、今日の宿泊地である直島行のフェリーは最終が16:25。 無理じゃん。そんなー(泣)  一番見たかった美術館なんですーー九州からわざわざ来たのよ、そこをなんとか入れてちょうだい、お願いーーーと無駄な抵抗を試みるも虚しく拒否され、涙を呑むことに。


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このまま引き下がるのも悔しいので、スタッフの目を盗んで見学コースを逆行する形で少し敷地内へ入ってみた。


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豊島美術館本体。チケットブースとは別棟になっていて、実際にはこの建物の周りをぐるっとまわり込むようにアプローチが設けられていて、そこを20名ずつぞろぞろと歩いて行く、のだそうです(恨)。内部空間では、床のいたるところから水が湧きだし、一日を通して「泉」が誕生する作品《母型》が展開されるている、らしい(この目で見たかった...)建物を上から見ると水滴の形をしており、まさに、建築(西沢立衛)と芸術(内藤礼)の見事な融合に鳥肌が立った、と実際に見学した誰かがブログに書いておられました(泣)。


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逆行した先にあった白い円形の建物は、見学者が最後に訪れるミュージアムショップでしたので、しれっと中に入らせてもらいました。


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円形の長いすに座って余韻にひたる見学者たち。
余韻にはひたれないので、写真を撮りまくっていたら、ちょっと嫌な顔されてしまいました(スミマセンでした)


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仕方なくパンフレットを買って帰ることに。

後でわかったことですが、豊島美術館の公式サイトで日時指定チケットというのを販売していて、予定に合わせてそれを取得していればこういうことにはならなかったのであります。でもまさかそこまで多いとは思っていなくて、今さら悔やんでも仕方がないのですが、情報収集が甘かったと反省。今後、混雑期に行かれる方は注意されてください。



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島内の移動手段には、徒歩、自転車(電動アシスト含む)、バス、そしてレンタカーがあります。中でもこの超小型電気自動車は人気なようで、道幅の狭い島内を二人乗りのこの電気自動車がスイスイと走りすぎる様を、この後、バス停で来ないバスを待ちながら「いいなあ」と横目で眺める破目になるとは。※料金は1日8,400円



島キッチン(設計:安部良)

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建物自体が作品でもあり、前回の第1回の時には、11月の連休で2時間待ちを記録したという人気のレストランでもあります。この日も自転車がたくさん停めてあって、若者たちで賑わっていました。


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写真では分かり辛いのですが、真ん中のテラスでは音楽やダンスなどのイベントやワークショップなども開催されているそうです。



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島キッチンの入り口。


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この建物の構造設計は、東京芸大の建築科金田研究室。料理は丸の内レストランのシェフが島のお母さんたちと協働し、地元産の魚や野菜を使った料理を提供しています。


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時間があればぜひ食べたかった。いつの日か、またリベンジだ。





唐櫃岡(からとおか)の村井戸/唐櫃の清水

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水道も冷蔵庫もなかった時代、「唐櫃の清水」は生活を支え、井戸端会議の場、信仰の対象として暮らしの中心にありました。正面は水汲み用、その両側の水は野菜や衣類のすすぎに使った後、洗濯場、おしめ洗い場へと流れていきます(ガイドブックより)


空の粒子/唐櫃(アート:青木野枝)

 
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唐櫃の清水の隣にある、貯水タンクを囲むアート。この作品の鑑賞ポイントは、このアングルからではなく、作品の下にもぐって丸く切り取られた空を見るのが王道らしい。


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清水前のバス停のところに今年新たに設置されたベンチ。コミュニティの拠点だったこの地ににぎわいを取り戻そうと、8月には何度かスイカのふるまいがあったそうです。


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豊島の中でも、唐櫃(からと)地区特有の石の積み方(だと誰かのブログに書いてありました)



美術館が見られなかったので、家浦港周辺のプロジェクトをゆっくり見るぞとバス停で待つこと約20分。定刻よりだいぶ遅れてバスが来た...と思ったら、止まらずにスルーして行ってしまいました。確かに結構いっぱい乗ってはいたけれど、バス停では7~8人も待っていたのに、何も言わずに通り過ぎることないじゃないか!!と一緒に待っていた若者たちと一緒になって憤る。だって次のバスは1時間後だぞー。みんなそれぞれの船の時間等があるわけで、憤ってばかりでは埒があかないと時刻表に書いてある連絡先(町役場)に電話すると、すみません臨時バスを出しますのでという何とものんびりした答え。こっちは分刻みで行動しているというのに......とイライラしながら待っていると、前のバスよりもたくさん乗ってるバスがやって来た。今度こそは乗り遅れまいと、寿司詰めのバスを押し寿司にするがごとく強引に乗り込んで、やっとこさ家浦港に帰りつきました。


本当はねー、そんなことにも目くじら立てないでいいような、それをこそ楽しめる位、時間に余裕のある旅をねー、したいんだけどね。




あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする/トビアス・レーベルガー

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海に面した空家をカフェに改造。店内の空間まるごとが作品となっている。内装は第二次世界大戦中の戦艦の迷彩を参考にした直線を基調としたデザイン。
カフェの運営はイルヴェント(フランチャイズ)が行っている。
中にいると少しクラクラしてきたが、それが「あなたを泣かせもする」って意味?だったりして。



豊島横尾館(建築:永山祐子 コンセプト、アート:横尾忠則)


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家浦地区の集落にある民家を改修してつくられた、横尾忠則の美術館。三連の大作絵画「原始宇宙」をメインとした平面作品11点と、円塔の中や、庭園に展開されるインスタレーション作品が敷地全体に広がって、生と死を一つのものとして考える場となっている(ガイドブックより)
この赤い色の謎は、入ってみないとわからない(笑)
横尾ワールド全開で、かなり面白かったです。


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迷路のような細い路地のあちらこちらでアートの展示が行われています。



100年の闇ほか/木下晋

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この受付と書いたくぐり戸をくぐって家に上がると、10Hから10Bまでの鉛筆を用いた、写真と見まがう細密な鉛筆画が展示してあります。


mountain project/石上純也

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御殿山エリアで予定しているプロジェクトの構想展を空き工場で実施。
かなり巨大なスケールのプロジェクトのようです。



スペシャルメイキング コートヤード

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今年の芸術祭に合わせてオープンした、テイクアウトをメインにしたカフェ。静かな島の夜空をイメージした「プラネットバケツ」というお弁当があるそうです。


このほかにもまだまだプロジェクトはたくさんあって、結局半分も周れなかった。
唐櫃港にある「心臓音のアーカイブ」や「遠い記憶」。それから甲生地区の方の「Big Bambu」「かがみ」などの作品も見てみたかったですね。




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何はともあれ、無事に直島への船に乗り、夕日に染まる瀬戸内海を見ながら、犬島と豊島を巡った一日を反芻していたら、あっという間に直島の宮浦港に到着。


海の駅「なおしま」(設計:SANAA)

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この日はベネッセハウスに宿泊しました。

ベネッセハウスにはホテルのシャトルバスがあって、これを使いこなすと広い直島も快適に巡ることができるのですが、実は港に着いて色々見て回っていたら、このシャトルバスにも乗り遅れまして、ホテルに電話して迎えに来てもらったという、バスに嫌われる一日でした。

明日はいよいよ見どころ満載な直島ですよ。
| デザイン紀行 | 11:10 | comments(0) | trackbacks(0)
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