Active Feeling

ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
<< 神戸・瀬戸内への旅3 豊島(てしま)編 | main | 神戸・瀬戸内の旅4 直島編その1 >>
神戸・瀬戸内への旅2 犬島編
瀬戸内国際芸術祭2013

犬島編


新神戸駅から新幹線に乗ると、約30分で岡山駅に着きます。

2013-08-26-00.jpg

岡山には宇野港という港があって、そこから直島や高松までのフェリーがでているのですが、直島のプロジェクトは月曜が休みで、この日はあいにくの月曜日でしたので、他の島を回ることに。

今回まわるのは、直島と犬島と豊島(てしま)の3島で、後ろの2つの島は火曜日が休みなので、この日は岡山からまず犬島へ渡り、そこから豊島、最後に宿泊地の直島へというルートで計画しました。



犬島へは、宇野港からではなく、宝伝港という小さな港から出ている小さな船で渡ります。
宝伝港へは、岡山駅からバスで約40〜50分ほど。
この日は直島が休みということで、宝伝港行のバスにかなり行列ができていました。

2013-08-26-001.jpg 
この船で犬島へ渡ります。
50人くらい並んでいたので、全員乗れるのかと心配しましたが、満席ではありましたが全員乗ることができ、無事に犬島へ。


2013-08-26-02.jpg

約10分ほどで犬島港に到着。

2013-08-26-01.jpg

犬島チケットセンター。
ここに荷物を預けて回るのですが、豊島行の船が出る時間まで2時間ほど。
その間に、「犬島製錬所美術館」と「家プロジェクト」にまとを絞って回ります。


2013-08-26-04.jpg

まずは犬島精錬所美術館。
ここは近代産業化遺産である銅の精錬所の遺構を活用した美術館で、自然のエネルギーを活かし環境に負荷を与えないよう設計された三分一博志氏の建築と、日本の近代化の在り方に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典氏のアートワークで構成されています。


2013-08-26-05.jpg

2013-08-26-08.jpg

もともと犬島は花崗岩(犬島石)を産する島で、古くは秀吉が大阪城を築城する際の石垣に用いられ、明治に入り、大阪港の造営がおこなわれていた最盛期には、4000人もの石工が働き、その賑わいは「築港千軒」と呼ばれ、港には遊楽街も立ち並んでいたそうです。


2013-08-26-06.jpg

2013-08-26-07.jpg

大阪港も完成し、砕石の賑わいも下火になった1909年(明治42年)、犬島に、煙害対策や原料輸送の利便性の観点から、銅の精錬所が建設されました。しかしその精錬所も銅価格の暴落によって約10年で操業を中止、その後再開することなく閉鎖されてしまいます。

それにしても約100年前の大規模な製錬事業をうかがわせる遺構が、ここまで良好な形で残されていることに驚きました。


2013-08-26-10.jpg

この赤黒い煉瓦は、「カラミ煉瓦」と言って、銅を精錬する過程で発生する鉱滓(主に鉄分だとガイドスタッフの女の子が教えてくれました)でつくられており、煙突や工場に多用されています。


2013-08-26-12.jpg


2013-08-26-13.jpg


2013-08-26-09.jpg

2013-08-26-11.jpg


2013-08-26-14.jpg

展示してある柳幸典氏のアート作品については、写真撮影が禁じられていたために、お見せできないのが残念ですが、特に日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫を持ってきたあたり、なかなかシュールでよかったです。三島由紀夫の文章や、渋谷区松濤の家の廃材を利用してつくられたアートと、近代化の幕開けの象徴である精錬所の遺構のマッチングは、非常に強いメッセージ性があって面白かったです。
ここへ行くと、柳氏のアート作品をご覧になれます。

それから、三分一博志氏の建築については、駆け足で廻ったためにちょっと消化不良ではありましたが、太陽熱や地熱などの自然エネルギーをはじめ、島の地形、犬島石(花崗岩)やカラミ煉瓦、そして既存の煙突を活用し、夏は空気を冷却、冬は暖めるという構造で安定した環境を保ち、自然に配慮した建築となっています。
また、トイレの汚水についても、従来のように海に垂れ流すのではなく、植物の力を借りて水を浄化する水質浄化システムを利用し、その水で瀬戸内の気候に適した樹木を育てているそうです(その果実はCAFEにて提供)。



約1時間で「精錬所美術館」を廻ったあとは、残りの1時間で「家プロジェクト」を廻らなければなりません。



犬島「家プロジェクト」は、長谷川祐子(アートディレクター)と妹島和代(建築家)がタッグをくんで、アートと建築が島の風景や生活、人々と一体となるよう犬島の集落で展開するプロジェクトです。



F邸(アーティスト:名和晃平)

まずは、精錬所から徒歩4分のF邸。
犬島は思ったより小さい島で、車では通れないような細い小道を徒歩で移動します。


2013-08-26-16.jpg

元あった古い家屋の梁や柱などをできるだけ再利用し、改修したギャラリー内に、アーティスト名和晃平のオブジェがダイナミックに展示されています。


2013-08-26-15.jpg

Biota(生物相)という作品名の名和氏のオブジェは、犬島独自の神秘的な部分にインスピレーションを受けて、現地制作されたもの。

2013-08-26-18.jpg

塀で囲われた坪庭にも名和氏のオブジェが並んでいました。



石職人の家跡(アーティスト:浅井裕介)

2013-08-26-17.jpg

2013-08-26-20.jpg

石職人の家の跡に作品を展開。太古の記憶に反応するように、島内で探し集められた石や民家の梁、それらを配置した地面に、植物や小さな生き物などが描かれ、島民が描いたパーツも織り込まれているらしい。


S邸(アーティスト:荒神明香)

2013-08-26-27.jpg


2013-08-26-23.jpg


2013-08-26-24.jpg

透明アクリルの壁が連なるこの作品は、大きさや焦点が異なる無数のレンズを通して、周りの景色の形や大きさが歪んで映し出され、見る人に目に見える世界の多様性を促しています(とパンフレットに解説してあり納得)


A邸(アーティスト:荒神明香)

2013-08-26-25.jpg


2013-08-26-26.jpg


2013-08-26-28.jpg

「S邸」同様、透明アクリルを用いたリング状のギャラリー。中庭に立つと、展示空間と周辺の風景の連続性を体験でき、 多彩な色の造花の花びらを貼りあわせた躍動的な作品は、見る人に刺激的な体験を促す(とこれもパンフより引用)。


中の谷東屋

2013-08-26-29.jpg

アートと島巡りの休憩所としてつくられた東屋。SANAA/妹島和代+西沢立衛が設計した「ラビットチェア」に座って声を発すると、こだまのように反響し、新鮮な体験ができます。


2013-08-26-32.jpg


2013-08-26-33.jpg

反響の秘密は天井にあいた無数の穴にあるらしい。


C邸(アーティスト:ジュン・グエン=ハツシバ)


2013-08-26-31.jpg

かつてこの場所にあった築200年以上の建物に使用されていた松材をできる限り多く使い、広い空間を持つギャラリーとして再生。

内部では、かつての犬島の地場産業であった「石切り」を主題とした映像作品を公開していました。面白いのは島の石切り場を「野球場」に見立ててあったことです。作者のハツシバ氏によれば、野球をしながら石をバットで打つことで、全国各地に送り出しており、そうすることで「犬島」という島がここにある、ということを示そうとしているのだそうです。


I邸(アーティスト:前田征紀)

こちらも古い家屋の木材や瓦を再利用した木造のギャラリー。
敷地内の庭には、季節の変化を楽しめる花々を植え、島の人々と協力しながら育てているとのことで、とてもいい感じでした。

2013-08-26-37.jpg


2013-08-26-38.jpg

「光」をキーワードに水と音を用いたインスタレーション。


2013-08-26-39.jpg

庭の中心に広がる幾何学の立体作品。


2013-08-26-34.jpg

女の子たちが「可愛いー」と騒いで写真を撮っても、微動だにせず昼寝を決めこむ猫。


2013-08-26-30.jpg

島の道は、二人並べば一杯の細い路地がほとんど。道の向こうには海が見える。


2013-08-26-35.jpg

港の近くの草むらに、無造作に置いてあった木製のラビットチェア。風化して、ますます島に同化していました。


2013-08-26-36.jpg

ここまででようやく犬島終了。
約2時間の滞在時間でしたが、結構内容濃かったと思います。

次は、豊島(てしま)ですが、長くなったのでまた次回。
| デザイン紀行 | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.activedesign.jp/trackback/865221
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
LINKS
PROFILE