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ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
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名古屋そして高山に行ってきました
岐阜県の高山に、螢タニという木工家具を製作している工房があります。 
ここは北欧のデザイナーやその親族とパートナーシップを結び、現在では本国でも製作されていない名作家具などもライセンス生産・販売している会社です。クラフトマンシップあふれる、このこだわりの工房に、前々から行きたいと思っていました。

8月の終わりにキタニより「2011 飛騨・高山暮らしと家具の祭典」の案内状が来たので、行こうかどうしようかと思案していたちょうどその時、10年近く前に、熊本市でご自宅を設計させていただいたお客様からお電話をいただきました。今度名古屋に自宅を新築したい(※現在は名古屋にお住まいです)という嬉しいオファーをいただき、二つ返事で名古屋・高山行きを決めました。


名古屋へ行くのは、何と十数年ぶりです。
セントレア空港も初めてなら、そこから名古屋駅までの直通特急ミュースカイも初めてでした。
そして、久しぶりの再会をはたしたMご夫妻と、建設予定地を見せていただいた後、名古屋駅上にそびえるJRセントラルタワーズ内のフレンチレストランで食事をしながら、打合せをさせていただきました。

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JRセントラルタワーズ
(ホームページより写真を拝借)


その後、16:00発高山行きの高速バスで名古屋を後にしました。
Mご夫妻大変お世話になりました。そして、またどうぞよろしくお願いします。





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さて、翌日から始まった「2011飛騨・高山暮しと家具の祭典」は、高山市の繁華街からシャトルバスで10分ほどの「飛騨・世界生活文化センター」をメイン会場に、同市内にある出店企業のショールームやギャラリー、イベント会場などで、様々なイベントや展示会を行っていました。 



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メイン会場の飛騨・世界生活文化センター。
今回のテーマは「再生」。テーマブースでは、家具の修理・再生はもちろんのこと、森林再生や国産材の活用など、会員企業が取り組む「日本の暮しの再生」が提案されていました。


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そしてここが、今回最も行きたかったkitaniです。

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常設のショールーム。ここはナナ・ディッツェルのコーナー。
右の籐のハンギングチェアは、キムタク主演の月9ドラマで使われて、一気にメジャーになりました。


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こちらはフィン・ユールを中心としたイージーチェアがたくさん置かれています。


kitaniでも、このイベント期間中は様々な展示が行われていまして、「北欧家具とライセンスメーカー展」・「歴史を彩るデンマーク名作展」という全国で展開中の2つの巡回展も同時開催していました。

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上の椅子はフィン・ユールの「チーフテン」

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これだけの数の北欧名作椅子が一同に会することは珍しく、かなりレアでお得な展示だったと思います。


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そしてこちらは、kitaniの敷地内にある邯鄲亭(かんたんてい)。
1930年代から1960年代に製造された北欧家具のコレクションがこれでもかと展示してあります。

しかしここにある家具たちは、ただのコレクションとはわけが違います。福祉の家具を学ぶために北欧に行った際に、倉庫に眠る山積みの埃だらけの家具を日本に持ち帰ってきたものだそうで、構造や素材を調べるために一脚一脚分解したのだそうです。

「ガラクタの山が宝の山にかわり、この優れた椅子を自分たちの手でつくりたい!という想いが、ライセンス取得への原動力になった」という経緯を知り、「ものづくり」とはこうであるべきだと頭がさがりました。

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一つ一つが垂涎ものの椅子たち。

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チャイニーズチェアを原点に、ザ・チェア、Yチェアへと変遷していく過程を並べてありました。

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ベアチェアも味がでてますますいい感じに。


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こちらはkitaniの工場。中には入れませんでしたが、ちらっと覗いたらデンマークのPPモブラーの工場に雰囲気が似ていると思いました。



この日は、ちょうど年に一度の「手工神(しゅこうじん)」の法要も行われ、たまたま居合わせた私でしたが、職人さんたちと一緒に、自然素材への感謝と、良いものづくりを目指すことを祈念してきました。

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職人にとって、手は一番の道具です。そこで手からものを生み出す全ての人たちのシンボルとして、kitaniが2008年につくったこのブロンズ像は、岐阜県出身の彫刻家天野裕夫氏によるもの。

「手工神」は左右の手が一つに重なり、中心は脳と繋がっています。指先は天空へと伸び、手首の部分は顔、中心の脳にあたる部分には神殿があり、全体で神域がイメージされています。

高山は、古くから「飛騨の匠」と呼ばれるものづくりのスペシャリスト達を排出してきました。
どんなに機械化が進んでも、材料の木取りから椅子張りまで、最終的に製品の良し悪しを決めるのは職人の手であり心だと考えるkitaniは、この地で、ものづくりの技術と職人の精神を受け継ぎ伝えていくために、この手工神をつくったといいます。



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法要後の交流会。その場の流れで、招待もされていないのに一緒に参加させていただき、ラッキーでした。

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交流会では、庭に仮設の舞台を設営して、舞踊家の舞が披露されました。

こうして低い軒で切り取られた舞台の光景を見ていたら、昨年行った桂離宮の月見台を思い出しました。あそこはそこに座って月を見るための舞台ですから、軒の出も非常に短くつくってありましたが、こちらは庭を見るための演出だと思うので、フレームで切り取られた舞台が美しく、それぞれに日本人の空間に対するセンスは素晴らしいなあとつくづく思い知らされます。



それからもう一つ、kitaniでは、フィン・ユールの生誕100年に当たる来年1月に向けて、「フィン・ユール邸建築プロジェクト」という計画が進行中で、高山のフィン・ユール邸は、現在棟上げが行われたところです。

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フィン・ユールは世界的に熱狂的なファンを持つデンマークの家具デザイナーで、特にその独特のフォルムにより「椅子の彫刻家」と評されています。

「自分が使いたい椅子をデザインした」というフィン・ユール氏の椅子を、より多くの方に、しかも氏が意図した環境で感じていただけるようにと、建築プロジェクトが立ちあげられ、フィン・ユール財団、デンマーク大使館、東海大学などの協力の下、来年1月の生誕100年の誕生日の完成に向けて建築が進められているところです。

この日はとても天気がよく、山の向こうに乗鞍岳が見えていました。kitaniの方によると、乗鞍岳がこんなに見えることはなかなかないそうで、つくづく来てよかったと思った1日でした。


今日のところはこれで終わりますが、高山の古い街並みや朝市、酒蔵や古い町家などもぶらぶらと歩きながら見てきましたので、その様子もまた次回ご紹介したいと思います。
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