Active Feeling

ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
<< 本年もよろしくお願いします | main | T-16FLAT HOUSE 進捗状況 >>
Looking back 2010 デザイン紀行−沖縄編−

昨年の写真を整理していて、このブログで紹介しそびれているものがいくつかありましたので、遅ればせながら、Looking back 2010 デザイン紀行ということで、昨年を少しだけ振り返ってみたいと思います。


昨年の3月末に、京都へ行った際の桂離宮や俵屋旅館については、このブログですでにご紹介しましたが、実はその月の初め、3月6日・7日に、1泊2日で沖縄に行きました。私用でしたので、仕事の合間を縫って1泊2日がぎりぎりだったのですが、その中でも是非見たいと思っていた「中村家住宅」をはじめ、首里城やアメリカ村などもレンタカーでまわることができ、とても内容の濃い2日間でした。




2010-03-06-010.jpg

まずは世界遺産の首里城。
ちょうど正殿の修復工事が行われてはいたものの、内部は全部見ることができました。
正殿の建築は、中国の宮廷建築と日本の建築様式を基本にしながら琉球独特の意匠
にまとめられていて、柱や梁に多数の龍の彫刻が施されています。



2010-03-06-009.jpg

守礼の門で娘と。
3月のはじめでしたが、半そでで全然OKの陽気にびっくり。
その後行った京都では、雪が降って大変だったのですが。


2010-03-06-007.jpg

琉装の女性たちと写真撮るといいさー


2010-03-06-08.jpg

正殿2階の御差床(うさすか)−つまり国王の座る王座
御差床左右の柱には龍が描かれ、そのまわりには雲が配色されていて
まさに豪華絢爛。
椅子のデザインにも中国の影響が色濃く表れています。


2010-03-06-011.jpg

正殿1階の御差床前で。


2010-03-06-012.jpg

首里城のジオラマ。

正面が「正殿」、向かって右が「南殿・番所」、左が「北殿」で、これらに囲まれた
中庭広場の空間を「御庭(うなー)」という。
年間を通じて様々な儀式が行われた御庭には磚(せん)というタイル状のものが
敷かれているが、この色違いの列は、儀式のさいに諸官が位の順に立ち並ぶ
目印の役割をもっていたそうです。




正殿とはうって変わって、国王が日常の執務を行ったという御書院と言われる広間
がある建物は日本風。中国皇帝の使者(冊封使)や那覇駐在の薩摩役人を招き、
ここで接待を行うこともあったそうだ。奥には内炉之間と言われる茶室もあり、
御書院の裏座にあたり、お茶を点てて客人に振る舞っていたらしい。



2010-03-06-22.jpg

書院に面して城内で唯一の本格的な庭園がある。書院に招かれた冊封使たちは、
この庭園の魅力を讃える詩を詠んで、その様子を「わだかまった松と蘇鉄とを、
奇怪な格好をした石の間に、互い違いに植えている」と伝えている。沖縄県内の
グスク(城)の中で、庭園があったことが分かっているのは首里城だけで、琉球
石灰岩をたくみに利用したつくりになっている。

創建当時の琉球王国は独立国だと思っていたので、このように国王の城に日本の
書院や茶室を見るのは逆に違和感さえ感じました。しかし当時、琉球王国は表向き
は中国の支配下にありながら、内実は薩摩と徳川幕府の従属国であるという微妙
な国際関係の中で存続していたようで、中国、日本、さらには朝鮮や東南アジアなど
周辺諸国からの影響をうけつつ、幾多の興亡を繰り返しながら独自の王朝文化を築
いていったその結晶が首里城であることを思うと、あらためて感慨深いものを感じて
しまいます。






沖縄の道はとてもわかりやすいので、レンタカーだと行動範囲も広がります。
ドライブがてら北谷町・美浜(ちゃたんちょう・みはま)にあるアメリカンビレッジまで
足を延ばしました。

ここは元々は米軍基地だった跡地を利用して建設された都市型リゾートで、
アメリカンな雰囲気の中に数多くのショップやレストランなどが立ち並んでいます。




アメリカンビレッジの隣には、サンセットビーチという夕日が有名なビーチがあり、
この日本当に美しいサンセットを見ることができました。


2010-03-06-19.jpg



そして沖縄のうまいもの...

2010-03-06-14.jpg

沖縄に来たら是非食べたいと思っていたソーキそば。
ガイドブックに載っていた浦添市の「高江洲そば」というお店に行きました。
人気のお店らしくしばらく並んで入店。
ソーキというのは、豚のあばらの骨つき肉のことで、長時間煮込んでトロトロのソーキと
縮れ麺にからむ豚ベースのあっさりとしたスープがうまかったー。コーレーグ−スという
島唐辛子の泡盛漬けも忘れずに。


2010-03-06-05.jpg

「ジューシー 150円」 とお店の壁に貼ってあったので、シークアーサーみたいな
果物のジュースかなと思ったら、沖縄風炊き込みご飯のおにぎりでした。
これもバリうま。


2010-03-06-16.jpg

夜は国際通りにある沖縄民謡の店「かなぐすく」という居酒屋へ。
島唄のライブを聞きながら、沖縄料理と泡盛を堪能しました。


2010-03-06-18.jpg

特に気に入ったのが、しまらっきょう(左)とミミガーの和え物。
しまらっきょうは自分の畑で栽培したいと本気で思ったくらい酒の肴にgood。


2010-03-06-17.jpg

その店で一人テンションあがりまくりだったこのおじさん、宮古島から来た
と言ってました。
しまんちゅは、とにかく踊るのが好き?
このおじさんにあおられて、しまいにはみんな踊り出しました↓





うまいものついでに、ちゅら海料理をご紹介しますと、翌日に公設市場の
食堂で食べたイカスミ汁とそうめんちゃんぷる。それと名前は忘れましたが
鮮やかな色をした魚の焼物です。

2010-03-07-18.jpg

イカスミ汁は思ったより生臭くなくて、出汁がおいしかったのですが、
食べたあとに歯と舌が真っ黒になったのには閉口しました。


2010-03-07-17.jpg

公設市場では、本土では見ない魚貝類や、豚肉料理、そしてしまらっきょう
もたくさん売ってありました。



2010-03-06-13.jpg

それから、自販機やコンビニなどどこに行ってもあるのがさんぴん茶。
これはジャスミン茶の沖縄流の呼び名のようですが、香りがよく、豚肉などの
肉料理には特にさっぱりしてよく合います。
さんぴんというのは中国でジャスミン茶のことを「シャンピェンツァー」と発音
することに由来するらしく、こういう生活に根差したところにも中国の深い影響
が見受けられます。
そういえば随分昔、中国人から聞いたのですが、烏龍茶は中国でも福建省など
一部のエリアの人しか飲まなくて、一般的には中国人はジャスミン茶を飲むのだ
そうです。



さあそして、いよいよ国指定重要文化財でもある中村家住宅。

2010-03-07-2.jpg

中村家住宅は中城(なかぐすく)の地頭職(庄屋)だった同家が1987年まで、
11代にわたり暮らしてきた上級士族の住居です。

現存する建物は18世紀中頃に建てられたと伝えられており、建築構造は、
鎌倉・室町時代の日本建築の流れを伝えていますが、各部に特殊な手法が
加えられて、独特な住居建築になっています。この遺構は、士族屋敷の形式
に農家の形式である高倉、納屋、畜舎等が付随して沖縄の住居建築の特色
をすべて備え持っています。屋敷は、南向きの緩い傾斜地を切り開いて建て
られており、東、南、西を琉球石灰岩の石垣で囲い、その内側に防風林の役
目を果たしている福木を植え、台風に備えています。 (中村家住宅ホーム
ページより)


2010-03-07-5.jpg

沖縄の伝統的な民家の様式として、このアプローチの正面奥にある琉球石灰岩を
切り出して積んだ石垣「ヒンプン」(目隠し壁)があります。

中国語の屏風(ピンプン)に由来すると言われ、元々は悪霊が正面から家に入りこ
むのを防ぐ「魔よけ」としての意味合いが強かったようですが、通りからの視線をカ
ットしてプライバシーを守ったり、南風が屋敷に抜けていくように設計されており、
台風のときには防風林の福木とともに強風が家を直撃するのを防いでいます。


2010-03-07-4.jpg

また、その昔沖縄ではヒンプンを挟んで男性は右側から出入りし、女性は
台所へ直通する左側から出入りしていたそうです。
ヒンプンにつきあたって右側へ行くとこの中門があり、そこをくぐると中庭を
囲むように右手に「アシャギ(離れ座敷)」正面に「ウフヤ(母屋)」があります。


2010-03-07-3.jpg

こちらはヒンプンにつきあたって左に曲がったところ。こちらを通ると中庭を通ら
ずに勝手口や井戸のあるサービスヤード的な庭へ行くことができる。つまり、
このヒンプンが人の動線を左右に振り分けているのですが、差別的な意味合い
というよりも、どちらかというと機能的な意味合で人々の暮らしに対応していた
ように思います。

ヒンプン越しに上部が突き出た建物は高倉。屋根裏の部分に施された傾斜を、
別名「ネズミ返し」といい、ネズミが穀倉に入れないように工作されたもの。



2010-03-07-9.jpg

正面が「ウフヤ(母屋)」。右側が首里王府の役人が地方巡視に来た際に、
宿泊所として使用したといわれている
「アシャギ(離れ座敷)」


2010-03-07-6.jpg

母屋は右手から順に、一番座(客間)、二番座(仏間)、三番座(居間)と
並んでいます。私が座っているのは一番座の前の縁側。




先祖崇拝が中心的な沖縄では、仏壇がある二番座が家の中心となるように
配置されており、これは風水において、入口から入った良い「気」が直接
仏壇に向かっていくようにとの配慮。裏には各一間づつ裏座(クチャ)と
いう居室があり、寝室、産室として使用された。





三番座の前方にはナカメー(中前)という板間がついており、畳間はすべて
6畳かそれ以下で、当時の農民にはその大きさしか許されていなかったよう
です。



2010-03-07-7.jpg

三番座の左隣にある茶の間に隣接して造られているトゥンガ(台所)。
トゥンガの床は広い土間となっていますが、ちょうどかまどのところが対面カウンター
のようで、茶の間と台所の関係が使いやすく機能的になっていることにとても関心
しました。



2010-03-07-8.jpg

ここでオバアやオカアたちが、どんな琉球料理をつくっていたのだろうと、想像する
だけでも楽しくなったのを思い出します。




土間の一角にある洗い場。水がめが置いてあります。


2010-03-07-11.jpg

トゥングワには「火の神(ヒヌカン)」をまつり、毎月一日・十五日には
拝んでいたという。





屋根はアマハジ(雨端)といって、深く庇のように出張った構造になっている
これは強い日差しと雨を避けるためのもの。




母屋の一番座が面する裏庭は客間のアシャギとも繋がっており、建具を全部開けると
中庭とも一体となって、開け放された室内に風が抜けて気持ちいい。





これは敷地の北西の角にある(沖縄の風水ではここが最も悪い位置らしい)
フールという豚小屋。当時はこの上に便所を設けてあり、人糞を豚が餌にし、
その豚を人間が食べるという、まさに合理的な食の循環がなされていた。
ここにも中国の影響を感じます。



中村家住宅のことは、本で見たことはありましたが、実際に見て感じるのは、
本当に機能的にできているということです。
ヒンプンによって外部と内部を絶妙に仕切ったコートハウスとも言える中庭の
配置や、オープンキッチン的な台所のつくりなど、現代の住居に通じる工夫が
随所にみられ、当時の人々の日々の暮らしを鮮明に想い浮かべることができ
る、心地よいぬくもりのあふれる空間体験でした。




これは中村家住宅の中庭に鎮座するシーサー。
右の口を開けているのがオスで、左がメス。かなり大きなものでした。

沖縄では町のそこここで門柱や屋根の上などにたくさんのシーサーをみかけ
ました。






最後に、国際通りから少し入った、「壺屋やちむん通り」という焼物の
通りをご紹介します。

琉球王朝の尚貞王は1682年に美里村の知花、首里の宝口、那覇の湧田
にあった窯場を那覇市壺屋に集め、陶器産業の振興をはかりました。
これが壺屋焼の始まりだそうです。






車1台がやっと通れるくらいの石畳の細い路地に、現在はシーサーの
専門店から、食器などの陶器、果ては骨壷専門店までたくさんの焼物
のお店が軒を連ねています。




南釜(フェーヌカマ)と呼ばれている荒焼用の登り窯跡。
県の有形文化財に指定されています。


2010-03-07-14.jpg

焼物もたくさん置いてある南釜の敷地にあるカフェ。
気のきいたカフェも点在しているので、陶器を物色しながらぶらぶらと
散策するにはもってこいの通りです。



2010-03-07-15.jpg

やちむん通りから左に入ると「いしまち通り」というもっと狭い通りがあります。
そこには昔の伝統的な壺屋陶工の住宅形式を唯一残している「新垣家」と
いう家があり、国の重要文化財に指定されています。残念ながらこの時は
修復工事中だったのですが、昔ながらの沖縄の雰囲気を残した小道は、
とても風情があり、繁華街の近くにこんな通りがあるとは思えない場所です。


2010-03-07-16.jpg


2010-03-07-13.jpg

那覇の国際通り、公設市場と見て回ったら、この壺屋やちむん通り界隈まで
足を伸ばすことをお薦めします。

そんなわけで、1泊2日の沖縄の旅は、那覇近郊のみで、北部のちゅらうみ
水族館や万座ビーチなどまでは行けませんでしたが、なかなか味わい深い
旅でした。今度は竹富島などの離島にも行ってみたいです。



| デザイン紀行 | 15:35 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
LINKS
PROFILE