Active Feeling

ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
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京都 俵屋番外編
3月に行った京都のデザイン紀行で、まだご紹介していなかった俵屋の番外編です。

俵屋旅館第11代当主佐藤年さんプロデュースのカフェ「遊形 Salon de the(サロン・ド・テ)」で座ったフィン・ユールをはじめとする椅子たちは、もちろん知ってはいたものの、あれだけの椅子をセンス良く、そしてあそこまでさりげなく並べてある空間をそれまで見たことがなかったので、あらためて佐藤年さんの確かな審美眼と美意識の高さに脱帽。

何かで読みましたが、このサロンに置いてある椅子たちは、佐藤年さんが、デザイナーの名前も知らずに買い集めてきた北欧のヴィンテージ家具(今ほど北欧家具が市民権を得る以前から買い集めていたらしい)だそうで、そのことだけでももう尊敬してしまいます。

私なんて、今ようやく「いつかはフィン・ユール」と思い始めているところなのに。





俵屋旅館の通り(麩屋町通り)を一角曲がったところ(姉小路通り)に俵屋のアメニティなどを販売する「ギャラリー遊形」とこの「遊形サロン・ド・テ」はあります。




この遊形サロン・ド・テの建物は、明治時代に建てられた町家を改装したもので、わずか13席ながら、吹抜けの天井と坪庭に面したガラスの開口部が奥行きのある店内を明るく、清潔感あふれる空間へと仕立てている。









和とモダンの融合というととかく泥臭くなりがちだが、洗練の見本のような店内と手入れの行き届いた坪庭。







奥の青い椅子は、フィン・ユールのNo.53。左の二人掛けは、オーレ・ヴァンシャーのイージーチェア?初めて見ましたが、かなり座り心地よかったです。



こちらはフィン・ユールのイージーチェアとルイス・ポールセンのスタンド。



そしてもう一つ、特筆すべきは、ここで出されるスイーツたち。

俵屋に泊まるとお着きの菓子で供される絶品スイーツ「蕨もち」がここでも食べられます。ほうじ茶または煎茶とのセットで¥2000。お抹茶とのセットであれば¥2200という値段だが、この蕨もちは、タピオカや芋のでんぷんではなく、本わらび粉(わらびの根?を粉にしたもの)を使用してある俵屋オリジナルの伝説的なデザートで、その食感はやわらかく、とろけるよう。

前回俵屋をご紹介した時に蕨もちの写真を載せていますが、青竹の器に入っているのは同じです。ただ抹茶をたのむと、抹茶碗は何と細川護煕氏作の碗で出てくるらしいです。その他スイーツがサーブされる器やカップ類は、ほとんど俵屋で使用されているもので、ギャラリー遊形で購入もできます。




今回食べたのは「ムース・ショコラ ポルト酒のジュレ」という一品。これは2004年に閉店した木屋町三条の「カフェ・リドル」のレシピによる復刻版のスイーツだそうで、もうめっちゃうまかったです。これに同じくカフェ・リドルの深煎りコーヒー(これまた激うま)を銀のポットでいただいて¥2200。でも今回は俵屋に宿泊した時に一人分のサービス券をもらっていたため、このセットはタダでいただき、コーヒーを一杯追加して¥1200でした。

カフェ・リドルのレシピのスイーツはこのほかにもうひとつ、「クレーム・アングレーズ・オランジュ」というオレンジのバニラムース的なやつもあって、京都ではそれらのスイーツ目当てに来るお客さんも多いとか。

一流の家具と備品に囲まれ、一流のスイーツを堪能できる贅沢な空間。けれど、そこには俵屋のホスピタリティが隅々まで行きわたっていて、ゆっくりと心ゆくまでくつろげるスペースに、つい長居をしてしまいました。




入口の扉は、俵屋のアーネストスタディと同じモチーフです。右の椅子はハンス・J・ウェグナーのダイニングチェアだと思われるが、もしかしたらフィン・ユールのものかも。だとすればかなりレアものです。

「椅子の彫刻家」という異名を持つフィン・ユールの椅子は、三次元の美しい曲線を持つものが多く、「ペリカンチェア」という張りぐるみの椅子などは、一度見たら忘れられないデザインで座り心地も抜群です。しかし1940年当時、(アルネ・ヤコブセンのデザインで同じように張りぐるみの「スワンチェア」は1958年)デンマークでは彼の造形があまりにも突飛であると受け入れられず、意外なことにまずはアメリカで彼の作品は高く評価されたという。ちなみにフィン・ユールの名声を高めることにつながった「グッドデザイン展」の監修をしたアメリカ人が、落水荘(フランク・ロイド・ライト設計)のオーナーの息子であり、美術評論家のエドガー・カウフマン・ジュニアであったというのがおもしろい。(落水荘については当ブログの2009年7月のデザイン紀行をご参照下さい)




妻が座っている椅子はウェグナーのミニ・ベアチェア。アーネストスタディにはベアチェアが置いてありましたが、ここにある椅子のどれをとっても、座るどころか見ることもそうはできないものばかり。これらの椅子に座ってまったりと時間を過ごせるなんて、本当に贅沢。

ちなみにここで最初に出される水は俵屋の井戸水だそうで、まろやかな口当たりでおいしゅうございました。またおしぼりにはあの石鹸の香りがしみこませてあり、俵屋に泊まらずとも俵屋のエッセンスを味わえる贅沢空間サロン・ド・テです。あーまた行きたい。
| デザイン紀行 | 14:34 | comments(0) | trackbacks(0)
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