Active Feeling

ACTIVE DESIGNの日常やその時に感じたことなどを書いていきたいと思います。
東京建築ツアー
今年も、毎年恒例のサカイリブ主催の東京建築ツアーに行ってきました。

今年はトラフ建築設計事務所の作品を中心に回ったのですが、代表の禿(かむろ)氏直々の解説付きでしたので、細かいところまで聞くことができ非常に勉強になりましたし、裏話なども聞けて面白かったです。

トラフの二人とは、2008年に西海岸を巡った建築ツアーや一昨年の東欧の建築ツアーでも一緒に旅をした仲であり、今回ツアーに参加しているメンバーの半数は、サカイ建築ツアーがご縁で仲良くさせていただいているデザイナーや建築家たちです。

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ハーマンミラーストア東京

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フライターグストア東京渋谷


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イソップ渋田店


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新国立美術館 SFT 1Fショップ

以上がトラフ作品。



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SunnyHills 南青山(隈研吾)


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COACH表参道(重松象平/OMA)


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ルイ・ビトン松屋銀座店(青木淳)


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oak 表参道(大林組+丹下都市建築設計)


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トラフが手掛けた常設展示アナグラのうたが展示されていた日本科学未来館で、ル・コルビュジェからのメッセージに偶然遭遇。その言葉が妙に心に響いて、思わず撮った一枚です。

デザインや設計の仕事の在り方や仕事の手法について、最近色々と考えるところが多く、トラフなど一世代下のデザイナーたちの取り組み方というのは、ある意味とても学ぶところが多く、コルビュジェも言うように思い込みや古い方法にとらわれずに、まったく別な発想でものごとに取り組むことが、今の時代には必要だと強く感じた次第です。

 
| デザイン紀行 | 22:22 | comments(0) | trackbacks(0)
トウモロコシ荘
今日は、住宅遺産トラストが行っている見学会にやってきました。



別名「トウモロコシ荘」とも呼ばれる平田重雄自邸は、建築家である平田重雄氏が
自ら設計し、晩年を過ごした自邸です。昭和42年(1967年)竣工。鉄筋コンクリート4階建。

室内の写真は禁止されていたため紹介できませんが、47年前の建物とは思えない状態で、
外断熱や換気面の処理では、現在の住宅で行われているようなことがすでに試みてあり、
また空間のスケール感については、実際に体感して見ないと分からない、絶妙なバランス
で構成されています。







前々日の雪のなごりが残る東京目黒の平田邸です。

モダニズム建築は、やはり素晴らしいですね。
後世に残してほしい文化遺産だと思います。
 
| デザイン紀行 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0)
神戸・瀬戸内の旅5 直島編その2
まずは「李禹煥美術館」前でシャトルバスを下車。

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直島は、「ベネッセハウス」もこの「李禹煥美術館」も「地中美術館」もすべて安藤忠雄氏設計の建物です。海と空の青、山の緑、そしてその中でコンクリート打ち放しのグレーが少し遠慮がちな感じで(高くそびえるのではなく、埋没するイメージで)、あちこちに存在している風景というのは、直島ならではという気がします(あくまでベネッセハウス周辺の風景で、港周辺は違いますが)。


李禹煥美術館/建築:安藤忠雄 アート:李禹煥(リ・ウファン) 

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谷あいから海へとつながる地形をいかした建物は、外部空間と地下に造られた内部空間とをゆるやかにつなぎ、「つくる」ことをぎりぎりまで抑え、最小限の要素で構成された李の作品と深く結びついた空間となっている(ガイドブックより)


柱の広場
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奥のコンクリート柱と鉄板と自然石の作品が「関係項ー点線面」
手前の鉄板と自然石の作品が「関係項ー対話」


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「関係項ー休息または巨人の杖」

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なだらかな芝生の向こうに海が見えます

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安藤氏お決まりのコンクリート壁に囲まれたアプローチを進むと、入口前に行列が。
またか?と豊島美術館の悪夢が蘇る。

1番人気の地中美術館は混雑が予想されるということで、ベネッセハウス宿泊者は事前に整理券を発行してもらえたので、安心してこちらを先に見に来たのだが、11:00の地中美術館入館時間に間に合うだろうかと一瞬不安がよぎる。

でも結局15分ほど並んで無事に入館できました。


「関係項ーしるし」
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照応の広場 「関係項ー合図」
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建物内部には、それぞれ「出会いの間」「沈黙の間」「影の間」「瞑想の間」があります。
日本画や映像をからめた作品もありましたが、「もの派」と呼ばれた日本の現代美術運動の中心的作家らしく、自分が支配的になるのではなく自ら作ることができない自然物や産業用品を作品に取り入れて、それらを結びつけていくという作風に、安藤さんの建築も呼応しようとしているように、感じられました。



地中美術館のチケットセンター
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11:00の入館時間の15分ほど前にシャトルバスで到着。このとき、すでに整理券をゲットしようとたくさんの行列ができていましたが、その時配られていたのが14:30頃の整理券でした。今回はベネッセハウスに泊まったので前日には整理券を手に入れることができましたが、そうでなかったら、とにかく朝一番にここに来て、整理券に並ばなくてはならなかったでしょう。※豊島美術館と同様、公式サイトでwebチケットを購入することができます(混雑期)



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チケットセンターで入場券をもらったら、そこから2〜3分、坂道を登ったところの美術館まで歩きます。その小道が、やけに植え込みなどがきれいに整備されているなと思っていたら、睡蓮の池が現われてびっくり。美術館に恒久設置されているモネへのオマージュですね。

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酷暑の中でしたが、思わずもらった清涼感に期待も膨らみます。



地中美術館/建築:安藤忠雄 アート:クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリア
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入り口にスタッフが立っていて、「写真撮影はここまでです」と念を押されつつ中へ。

その名があらわすように、建物の大半が地中に埋まっているので、外観のない建物というのは写真に撮れないのが難点ですね(パンフレットのものは航空写真でした)。


それにしても、どの作品もすばらしかった。

印象派を代表する画家、クロード・モネの大作「睡蓮」は別格としても(この作品の購入をきっかけに地中美術館は構想されたということです)、モネの「睡蓮」を今の視点から解釈するために、現代美術家のウォルター・デ・マリアとジェームズ・タレルが選ばれたということからも、この二人の作品のスケールの大きさがわかります。



モネ室について
「睡蓮」の大作が5枚も展示してあるモネ室ですが、絵の鑑賞もさることながら、その空間自体がモネの絵を鑑賞するために、細部にわたってこだわり抜いてあることに驚かされます。それはモネが最晩年に構想した「大装飾画」の建築プランを下敷きにして、それを再現するように設計されているとのこと。
角が丸くなった壁、自然光の間接照明、そして白の背景を好んだモネに倣って、額縁、床には白い大理石、壁には目の粗い砂漆喰が用いられている。床の大理石は、イタリア、カラーラ産のビアンコカラーラで、ミケランジェロが使った大理石と同じ採石場から採られたものだという。それを2cm四方の立方体に切り分け、約70万個を床に埋め込んであります(入室の際に、スリッパに履き替える)
また、額縁は白さに定評があるギリシャのタソスホワイトという種類の大理石。
壁の漆喰は、高松城の外壁に使われているものと同様の目の粗い砂漆喰を、30人の職人がまる一日をかけていっせいに仕上げたそうです。

10年程前に、フランスのオランジュリー美術館でもモネの「睡蓮」を見ましたが、空間そのものに「睡蓮」と連動した感動があるのは断然こっちですね。逆に気になって絵に集中できないところもありますが。この睡蓮を鑑賞するのに最もふさわしい空間で、本当は1時間くらいじっくり鑑賞したかったです。


ウォルター・デ・マリアもジェームズ・タレルも、単に現代の奇抜な美術ではなく、自然と向き合い、そこから得たアイデアを作品にしており、西洋美術の流れの中に位置づけられているアーティストなのだそうです。


ウォルター・デ・マリアの作品が展示してある空間は、部屋のサイズ・高さ・採光など空間全体を作品と考える彼女の指示によって決められており、天井からの自然光のみで鑑賞します。奥行き24m、幅10mの大空間の長辺と東西の方向が一致しており、入り口方向から昇った太陽が奥の壁方向に沈んでいくことで、時間帯によって部屋の採光状況が劇的に変化。階段状になった部屋の真ん中にある花崗岩の球体と、コンクリートの壁際に配置された金箔張りの木彫だけではない、空間全体を一つの作品として、皆さん鑑賞されていたと思います。
朝散歩したときに見た「見えて/見えず 知って/知れず」も彼女の作品。これは長辺が南北方向に設置されています。


光の芸術家と呼ばれるジェームズ・タレルの作品は、後で行く「南寺」でも見ることができますが、ここには彼の3つの作品が展示されていて、その作品のシリーズが誕生した順に見ることをおすすめします。光を対象として視覚的に扱っていた作品から、光の中へ入っていく仕組みに作品が移行しているのがわかるので。特に「オープン・フィールド」という作品は、体験してみないとわからない奥深さと感動があります。視覚だけではなく、五感すべてを使って体験するアート作品は、詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、間違いなく面白いので、興味のある方はぜひ現地で体験してください。
同じく「オープン・スカイ」も体験型の作品ですが、暑い夏の、それも昼間ではなく、寒い季節の夕方の方がおすすめかも。というのもこちらは閉館後、日没にかけてのナイトプログラムというのがあっていて、しかも冬場はベンチに暖房が仕掛けてるらしいのです(どなたかのブログに書いてありました)。

この日は日本人だけでなく、台湾からの団体客もたくさん来ていて、館内にある「地中カフェ」も一杯でした。それにしても台湾の人って、どうしてあんなにおしゃべりなんでしょうね。台湾人のガイドさんも、何をそんなに説明することがあるのかというくらい、ずーっと凄い剣幕で?話し続けていましたが、「ここは美術館ですよ(しかも瞑想室)」「少し黙って鑑賞しましょうよ」って言いたくなるくらい、みなさんツバを飛ばしながら口々にずーっとしゃべり続けておられました。
でも地中にありながら、美しい瀬戸内の海を一望できるこのカフェに寄らずに帰ったのは今となってはちょっと心残り。ワインも飲めたと聞けばなおさらです。
次回は、もう少し少ない時期を選んでまたリベンジしたいと思います。


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睡蓮の池のほとりを歩いて戻りながら、一旦山を削ってこのコンクリートの建物を建てたあとに再び埋め戻すなんていうことをしてしまう、モネの「睡蓮」を5つも持ってる、ホテルの中にも美術館をつくっちゃう、李禹煥美術館や豊島美術館も運営している......ベネッセって........そういえば、しまじろうのこどもチャレンジをうちの子たちもやってたっけな、なんてふと考えた。自然との共生は、つくられた自然との共生なのか、ありのままでは自然も生き残ってはいけないのか.....たくさん見たアートのせいかもしれませんが、そんなこともふと頭をよぎったりしました。しかし、建築も芸術も、ある意味パトロネージュの存在なくしては存在しえない部分があるのも事実。その志はあくまでも尊いものだと思います。



というわけで、美術館2つを堪能したあとは、島の東側にある本村(ほんむら)港の家プロジェクトを廻ります。

シャトルバスで一旦荷物を取りにパーク棟に戻り、それから本村港まで再びシャトルバス。
バス停近くの「本村ラウンジ&アーカイブ」という家プロジェクトの案内所みたいなところに荷物を預け、歩いて廻ります。



ANDO MUSEUM(安藤忠雄)

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約25年前から直島と関わり、数多くの美術施設を設計してきた安藤忠雄氏の、古い町並みの残る本村地区に今年できたミュージアム。外観は古い民家の姿を残していますが、中に入ってびっくり。地中美術館方式といったらわかり易いでしょうか、コンクリートの建物が古民家の中に埋め込んであるという、しかも壁が斜めになっていたり、トップライトからの自然光だったり、スリットからもれる光だったり、安藤建築の真骨頂。展示されている写真や模型も含め、安藤ワールド満載の空間でした。



南寺/バックサイド・オブ・ザ・ムーン(建築:安藤忠雄 アート:ジェームズ・タレル)

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内部はさっき地中美術館でも見た、ジェームズ・タレル氏の「体験型」の作品です。

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かつて寺だった場所に、タレル氏の作品に合わせて、安藤忠雄が建物を設計。

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整理券を持たずに見に来た女の子が「どうして見れないんですか」と係りの人に食って掛かっていたのを目撃しましたが(
まるで豊島美術館での私を見るよう)、実はここもベネッセハウスで整理券を事前入手できたので、事無きを得ました。宿泊費が高い分、シャトルバスやこういった利用者の利便性に気を配ってもらえるのは非常に助かりますが、この南寺は、特に入場制限なしに人を入れるわけにはいきません。なぜならバックサイド・オブ・ザ・ムーンという作品は、本当に1寸先も見えないくらい真っ暗闇の空間を壁伝いに進まなくてはならないからです。もう完全な暗黒の世界で、自分の体すらまったく見えない。

でもそれが中に入って10分ほども経つと、だんだん目が慣れてきて、そこにぼうっと光が浮かんでくる。そして歩き回ることもできるようになり、周りの人たちの存在も見えるようになる。あんなに真っ暗だったのに...という不思議な感覚。暗闇の中では自分自身の存在さえ見失いそうになっていたものが、だんだん見えてくることによって蘇える感覚。うーん、これも体験しないとわかりませんので、ぜひ直島へ。


角屋/Sea of Time'98ほか(アート:宮島達男)

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200年ほど前の家屋を改修した家プロジェクトの第1弾。内部にはなんと土間をあがった部屋の床に水が張ってあり、125個のLEDデジタルカウンターが明滅していました。



石橋/ザ・フォールズ/空の庭(千住博)

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築約100年の民家の母屋と蔵を改修。千住氏の長年のモチーフである滝を描いた大作「ザ・フォール」と14面の襖絵「空の庭」が展示されている。写真は「石橋」


護王神社/アプロプリエイトプロポーション(杉本博司)

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江戸時代から祀られてきた神社を杉本博司氏が自ら設計して改築。地下の石室はガラスの階段で本殿と結ばれ、地上の光が入り込む。

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この日は地下の石室の見学に行列ができていました。結構並んで、4人ずつ中へ。


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ガラスの階段の下まで、かなり狭い通路を進みます。

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石室の反対側に見える海。

石室から出るとき、四角い開口の向こうに青い海が見えるというのを以前テレビで見たことがあったのですが、ベネッセのサイトにありました。

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ベネッセアートサイト直島より



はいしゃ/舌上夢/ボッコン覗(大竹伸朗)


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かつて歯科医院兼住居だった建物を大竹伸朗がまるごと作品化。屋内外に多様なオブジェや廃材、看板、ネオン管などがコラージュされ、混沌とした空間をつくり出している(ガイドブックより)
宮浦港エリアにあった「I♡湯」の大竹さんです。

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船底が張り付いた外壁

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廃業したパチンコ屋からやってきたという自由の女神


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ボッコン覗(のぞき)というのはこの窓のこと?

タイトルの「舌上夢」という言葉は、何かを口にしている時、味や匂いなどの感覚からたどる夢の記憶のプロセスを表現しているそうです。


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玄関

内部の撮影は厳禁だったのが残念。
カオスと混沌の中に、何とも言えない温かさというか、懐かしさのようなものを感じ、少なくとも決して不快ではなかったと記憶します。



その他、三分一博志さんの「風と水のコックピット」という夏会期だけの構想展もあっていて、エナジースケープという発想が興味深かったです。


例のごとく、この日もお昼を食べそこねていたので、シャトルバスで宮浦港へ戻る前に、通りがかったお店で、ハマチのフライをはさんだ「直島バーガー」を買って食べました。揚げたてのハマチのフライはジューシーで、めっちゃ美味しかった。

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宮浦港に着いたらフェリーの時間が迫っていて、結局「I♡湯」に入ることはできませんでした。

いろいろとリベンジもしないといけないし、またいつか違う季節にやって来ようと誓って、フェリーに乗り込み、本州への帰途につきました。


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宇野港周辺は、写真の街ということで、「街中写真プロジェクト」という展示があちこちで行われていました。宇野港の正面では、アラーキー(荒木経惟)の写真がでかでかと出迎えてくれています。岡山駅行きのバスを待つ間、アラーキーとデビッド・シルビアン(彼が写真家になっていたとはつゆ知らず)の写真展などを少し見て廻り、3泊4日の旅をしめくくりました。


毎日、暑い中2万歩近く歩きまくった旅でしたが、思った以上に見どころの多い、楽しい旅でした。神戸は他にも見たいところがあったし(異人館とかではなく、港の方)、特に豊島は時間が足りなくて見れなかったところがたくさんありました。男木島や女木島、小豆島など、ほかにも行きたい島がまだまだあります。いつかまた訪れる日まで。


長々と、神戸・瀬戸内の旅にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。



追伸:宇野港のインフォメーションセンターで飲んだオリーブサイダー、ほんのりとオリーブが香って、なかなか美味しかったです。

 
| デザイン紀行 | 08:34 | comments(0) | trackbacks(0)
神戸・瀬戸内の旅4 直島編その1

犬島、豊島と回って夕方に直島入りしたものの、まだ陽が高いということで、ホテルへ入る前に、宮浦港周辺のプロジェクトを(月曜休館と分かっていますが)散策してみることにしました。

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直島の主な瀬戸芸エリアは3つに分かれていてこんな感じ↑の配置になっています。(西側の宮浦港周辺が宮ノ浦港エリア、東側の本村港周辺が本村エリア、そして南側のベネッセハウス周辺エリアの3つ)
翌日は「地中美術館」や「李禹煥(リ・ウファン)美術館」のほか、本村エリアの家プロジェクトも廻る予定なので、宮之浦エリアまでは時間が足りないかもしれないということもあり、この日はすでに2万歩近く歩いてはおりましたが、もうひと頑張りすることに。


宮浦港の横の広場にある、草間弥生さんの「赤かぼちゃ」

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宮浦ギャラリー六区(建築:西沢大良 アート:緑川洋一)

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今夏、新たにオープンしたギャラリー。「パチンコ店をリノベーションし、隣接する公園に開かれた空間設計」とのことでしたが、今日は休みなので閉じています。
アートは岡山出身の写真家緑川洋一氏の初期作品。


直島銭湯「I♡湯」(アート+デザイン:大竹伸郎 設計協力:graf)

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アーティスト・大竹伸朗が手がける実際に入浴できる美術施設。
実際外から見ただけでぶっ飛びました。
ガイドブックには「船底やコックピット、秘宝館から持ち込んだ小象、屋上の松の植栽など外観から内装まで、徹底して「飽きさせない」というテーマが反映されている」と書いてあるのですが、秘宝館?小象??
何だかよくわからんが、これは明日ぜひ中を見てみなくては。入浴もできればなおよい。


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この日の夕食は、あえてホテルには予約せず(ベネッセハウスにはフレンチや和食のレストランがあり、予約の時点で夕食の予約も尋ねられたのですが)、宮浦港近くの食堂で食べることにしていました。しかし案の定、月曜日は休みが多くてあせりました。


やっと1軒だけ開いていた和食の店を見つけて、そこで食事することに。とにかく歩き疲れていたし、お昼は神戸で買ったパンの残りを道中かじっただけでしたので、お店に入るなり、とりあえずで頼んだ生ビールのうまかったこと。あとは、お刺身の盛り合わせにタナゴ(九州では馴染みのない魚ですが瀬戸内海ではポピュラーな魚らしいです)の塩焼き、タコのぶつ切りの天ぷらなど、一品料理をいただきましたが、その時は空腹に勝る料理人なしということで(笑)、おいしくいただきました。 まあ後で思い返すと、海に囲まれている島なのに...という感じが無きにしも非ず?で、島内全体的にカフェ的なお店が多くて、魚料理をきちんと食べさせるお店が少ないのはちょっと残念に思いました。


宿泊したのは、ベネッセハウスの4つある宿泊棟(ミュージアム、オーバル、パーク、ビーチ)のうちのパーク棟でした。

神戸をAM8時過ぎの新幹線で発ってから約12時間、犬島、豊島、そして直島とフルに歩き回り、精も根も尽き果てたかと思いきや、意外にもまだ体力メーターは余力を残していたもので、チェックインの際にミュージアム棟の美術館は22:00まで開いていると聞き、少しでも今日のうちに消化しておこうということで、急きょシャトルバスに乗り込み、夜のベネッセミュージアムを1時間ほど見学し、この日の日程を終了しました。

それにしてもここのシャトルバスは便利でした。町営バスよりも本数が多く、宿泊客は無料で乗れるので、プロジェクトをハシゴするのに、とても重宝しました。


翌朝、朝食の前にベネッセパークの周辺を散歩した際の写真をご紹介します。

ベネッセハウス パーク棟(設計:安藤忠雄)

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パーク棟の内部にもアート作品があちらこちらに配置されています。

以下はパーク棟の内部を少しご紹介。


「苔の観念」杉本博司
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「光の教会」「光の棺」杉本博司
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「サブリメイトIV 」アントニー・ゴームリー
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パーク棟から朝食をとるテラスレストランへの渡り廊下の壁面にもアートが。




そしてパーク棟の外にもたくさんのアート作品が散らばっています。

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「かえると猫」カレル・アペル
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「腰掛」ニキ・ド・サン・ファール
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「南瓜」草間弥生
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「三枚の正方形」ジョージ・リッキー
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「シップヤードワークス/船尾と穴」大竹伸郎
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「シップヤードワークス/切断された船首」大竹伸郎
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「見えて/見えず 知って/知れず」ウォルター・デ・マリア
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「Final Call]アンソニー・カロ
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ミュージアム棟入口
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テラスハウス
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テラスハウス前のデッキ
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パークラウンジ
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早朝から2時間ほどかけてベネッセハウスの周辺をじっくり散策したあと、テラスハウスで朝食を済ませ、ついでに宿泊者が自由に利用できるパークラウンジで、珈琲を飲みながら新聞を読み、部屋へ帰って荷物をまとめてさあ出発です。

チェックアウトの際に荷物をパーク棟のクラークに預け、シャトルバスで「李禹煥美術館」「地中美術館」そして本村エリアの家プロジェクトと廻ります。


ここまでで随分な写真の量になったので、直島編その1は一旦終わります。
 

| デザイン紀行 | 12:27 | comments(0) | trackbacks(0)
神戸・瀬戸内への旅2 犬島編
瀬戸内国際芸術祭2013

犬島編


新神戸駅から新幹線に乗ると、約30分で岡山駅に着きます。

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岡山には宇野港という港があって、そこから直島や高松までのフェリーがでているのですが、直島のプロジェクトは月曜が休みで、この日はあいにくの月曜日でしたので、他の島を回ることに。

今回まわるのは、直島と犬島と豊島(てしま)の3島で、後ろの2つの島は火曜日が休みなので、この日は岡山からまず犬島へ渡り、そこから豊島、最後に宿泊地の直島へというルートで計画しました。



犬島へは、宇野港からではなく、宝伝港という小さな港から出ている小さな船で渡ります。
宝伝港へは、岡山駅からバスで約40〜50分ほど。
この日は直島が休みということで、宝伝港行のバスにかなり行列ができていました。

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この船で犬島へ渡ります。
50人くらい並んでいたので、全員乗れるのかと心配しましたが、満席ではありましたが全員乗ることができ、無事に犬島へ。


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約10分ほどで犬島港に到着。

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犬島チケットセンター。
ここに荷物を預けて回るのですが、豊島行の船が出る時間まで2時間ほど。
その間に、「犬島製錬所美術館」と「家プロジェクト」にまとを絞って回ります。


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まずは犬島精錬所美術館。
ここは近代産業化遺産である銅の精錬所の遺構を活用した美術館で、自然のエネルギーを活かし環境に負荷を与えないよう設計された三分一博志氏の建築と、日本の近代化の在り方に警鐘をならした三島由紀夫をモチーフにした柳幸典氏のアートワークで構成されています。


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もともと犬島は花崗岩(犬島石)を産する島で、古くは秀吉が大阪城を築城する際の石垣に用いられ、明治に入り、大阪港の造営がおこなわれていた最盛期には、4000人もの石工が働き、その賑わいは「築港千軒」と呼ばれ、港には遊楽街も立ち並んでいたそうです。


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大阪港も完成し、砕石の賑わいも下火になった1909年(明治42年)、犬島に、煙害対策や原料輸送の利便性の観点から、銅の精錬所が建設されました。しかしその精錬所も銅価格の暴落によって約10年で操業を中止、その後再開することなく閉鎖されてしまいます。

それにしても約100年前の大規模な製錬事業をうかがわせる遺構が、ここまで良好な形で残されていることに驚きました。


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この赤黒い煉瓦は、「カラミ煉瓦」と言って、銅を精錬する過程で発生する鉱滓(主に鉄分だとガイドスタッフの女の子が教えてくれました)でつくられており、煙突や工場に多用されています。


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展示してある柳幸典氏のアート作品については、写真撮影が禁じられていたために、お見せできないのが残念ですが、特に日本の近代化に警鐘をならした三島由紀夫を持ってきたあたり、なかなかシュールでよかったです。三島由紀夫の文章や、渋谷区松濤の家の廃材を利用してつくられたアートと、近代化の幕開けの象徴である精錬所の遺構のマッチングは、非常に強いメッセージ性があって面白かったです。
ここへ行くと、柳氏のアート作品をご覧になれます。

それから、三分一博志氏の建築については、駆け足で廻ったためにちょっと消化不良ではありましたが、太陽熱や地熱などの自然エネルギーをはじめ、島の地形、犬島石(花崗岩)やカラミ煉瓦、そして既存の煙突を活用し、夏は空気を冷却、冬は暖めるという構造で安定した環境を保ち、自然に配慮した建築となっています。
また、トイレの汚水についても、従来のように海に垂れ流すのではなく、植物の力を借りて水を浄化する水質浄化システムを利用し、その水で瀬戸内の気候に適した樹木を育てているそうです(その果実はCAFEにて提供)。



約1時間で「精錬所美術館」を廻ったあとは、残りの1時間で「家プロジェクト」を廻らなければなりません。



犬島「家プロジェクト」は、長谷川祐子(アートディレクター)と妹島和代(建築家)がタッグをくんで、アートと建築が島の風景や生活、人々と一体となるよう犬島の集落で展開するプロジェクトです。



F邸(アーティスト:名和晃平)

まずは、精錬所から徒歩4分のF邸。
犬島は思ったより小さい島で、車では通れないような細い小道を徒歩で移動します。


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元あった古い家屋の梁や柱などをできるだけ再利用し、改修したギャラリー内に、アーティスト名和晃平のオブジェがダイナミックに展示されています。


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Biota(生物相)という作品名の名和氏のオブジェは、犬島独自の神秘的な部分にインスピレーションを受けて、現地制作されたもの。

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塀で囲われた坪庭にも名和氏のオブジェが並んでいました。



石職人の家跡(アーティスト:浅井裕介)

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石職人の家の跡に作品を展開。太古の記憶に反応するように、島内で探し集められた石や民家の梁、それらを配置した地面に、植物や小さな生き物などが描かれ、島民が描いたパーツも織り込まれているらしい。


S邸(アーティスト:荒神明香)

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透明アクリルの壁が連なるこの作品は、大きさや焦点が異なる無数のレンズを通して、周りの景色の形や大きさが歪んで映し出され、見る人に目に見える世界の多様性を促しています(とパンフレットに解説してあり納得)


A邸(アーティスト:荒神明香)

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「S邸」同様、透明アクリルを用いたリング状のギャラリー。中庭に立つと、展示空間と周辺の風景の連続性を体験でき、 多彩な色の造花の花びらを貼りあわせた躍動的な作品は、見る人に刺激的な体験を促す(とこれもパンフより引用)。


中の谷東屋

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アートと島巡りの休憩所としてつくられた東屋。SANAA/妹島和代+西沢立衛が設計した「ラビットチェア」に座って声を発すると、こだまのように反響し、新鮮な体験ができます。


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反響の秘密は天井にあいた無数の穴にあるらしい。


C邸(アーティスト:ジュン・グエン=ハツシバ)


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かつてこの場所にあった築200年以上の建物に使用されていた松材をできる限り多く使い、広い空間を持つギャラリーとして再生。

内部では、かつての犬島の地場産業であった「石切り」を主題とした映像作品を公開していました。面白いのは島の石切り場を「野球場」に見立ててあったことです。作者のハツシバ氏によれば、野球をしながら石をバットで打つことで、全国各地に送り出しており、そうすることで「犬島」という島がここにある、ということを示そうとしているのだそうです。


I邸(アーティスト:前田征紀)

こちらも古い家屋の木材や瓦を再利用した木造のギャラリー。
敷地内の庭には、季節の変化を楽しめる花々を植え、島の人々と協力しながら育てているとのことで、とてもいい感じでした。

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「光」をキーワードに水と音を用いたインスタレーション。


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庭の中心に広がる幾何学の立体作品。


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女の子たちが「可愛いー」と騒いで写真を撮っても、微動だにせず昼寝を決めこむ猫。


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島の道は、二人並べば一杯の細い路地がほとんど。道の向こうには海が見える。


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港の近くの草むらに、無造作に置いてあった木製のラビットチェア。風化して、ますます島に同化していました。


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ここまででようやく犬島終了。
約2時間の滞在時間でしたが、結構内容濃かったと思います。

次は、豊島(てしま)ですが、長くなったのでまた次回。
| デザイン紀行 | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0)
神戸・瀬戸内への旅3 豊島(てしま)編
 
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犬島のチケットセンターのおじさんから、「豊島行の船の切符はもうないよ」と言われた時は一瞬青くなりましたが、直島が休みのこの日、その他の島へと人が集中していたため、臨時の船を出してくれることになり、無事豊島へと渡ることができました。



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瀬戸内国際芸術祭では公式ガイドブックが出版されており、これに各島の施設やアートの紹介はもちろん、船やバスの時刻表や宿泊情報など至れり尽くせりの情報が満載です。ほとんどの人がこのガイドブックを手に周っていました。

それと右は作品鑑賞パスポート。これがあると、入り口でいちいち入場料を払わなくてよく、一部別途料金が必要な施設もありますが、割引料金が適用になるので、たくさん回る場合は必須です。※このパスポートは夏シーズ用。


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約30分で豊島の港、家浦港に到着(といっても犬島や直島と行き来する船の発着場所は若干離れた場所にある)
犬島に比べると豊島はだいぶ大きい島なので、レンタサイクルがおすすめとガイドブックにあったのですが、すでにどこのレンタル屋さんも自転車は出払っており、町営バスで移動することに。

この時すでに13:30。
今日の宿泊地・直島行の船は、16:25発が最終なので、それまでにこの宮浦港に帰って来るためには、かなり駆け足で周らないといけません。それでも全部は無理なので、取りあえず一番見たい「豊島美術館」へ行くことにして、バスに乗り込む。



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豊島美術館前のバス停で下車すると、目に飛び込んできたのは瀬戸内の美しい海。


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そして道端の青々とした棚田の風景のなかに、白くて丸い建物が。


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その前に、この美しい棚田についての説明がありましたので、読んでみると意外な顛末が。

もともと豊島は湧水が豊富で、稲作や漁業、酪農が栄えた、食の豊かな島でした。しかし産業構造の変化や、過疎化・高齢化によって耕作放棄地が増え、島を美しく彩っていた棚田は、草や竹、樹木に覆われ、荒れ果てた姿に変わってしまいました。また、高度経済成長に伴い、都会から大量の産業廃棄物を運び込んでの不法投棄が発覚。「ごみの島」として知られるようになってしまいました。そんな中、3年前の第1回瀬戸内国際芸術祭を契機に、島の自治会や各種団体が豊島美術館を運営する福武財団、香川県と協力して、豊島「食プロジェクト」推進協議会を設立したのだそうです。そしてその中の事業の一つが「棚田プロジェクト」です。

しかし、一旦荒れてしまった土地を稲作に適した状態まで復元するのは容易なことではなく、稲作はできなくても畑作が可能なところには野菜や果樹を植え、それもできない場所は、再び荒地に戻らないように草を刈り、ヤギや牛を放牧しているとのこと。やはり、美しい景観は、人が手をかけてこそ守られるものだということを改めて教えられました。今回この芸術祭を訪れているのは大部分が若者であること。そしてこういったプロジェクトに積極的に参加している若者も多いということに、ひとすじの希望を感じつつ、海風にたなびく青々とした棚田を眺めたひとときでした。



豊島美術館(設計:西沢立衛、アート:内藤礼)

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さて、その棚田から豊島美術館の入り口へと坂道を降りていくと、何やら行列ができています。一抹の不安を感じながら列の前へと進むと、スタッフが整理券を配っていました。渡された整理券に書いてあったのは「16:00」の文字。「ただ今、大変混雑しておりますので、入場制限を行っております」とスタッフ。しかし、今日の宿泊地である直島行のフェリーは最終が16:25。 無理じゃん。そんなー(泣)  一番見たかった美術館なんですーー九州からわざわざ来たのよ、そこをなんとか入れてちょうだい、お願いーーーと無駄な抵抗を試みるも虚しく拒否され、涙を呑むことに。


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このまま引き下がるのも悔しいので、スタッフの目を盗んで見学コースを逆行する形で少し敷地内へ入ってみた。


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豊島美術館本体。チケットブースとは別棟になっていて、実際にはこの建物の周りをぐるっとまわり込むようにアプローチが設けられていて、そこを20名ずつぞろぞろと歩いて行く、のだそうです(恨)。内部空間では、床のいたるところから水が湧きだし、一日を通して「泉」が誕生する作品《母型》が展開されるている、らしい(この目で見たかった...)建物を上から見ると水滴の形をしており、まさに、建築(西沢立衛)と芸術(内藤礼)の見事な融合に鳥肌が立った、と実際に見学した誰かがブログに書いておられました(泣)。


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逆行した先にあった白い円形の建物は、見学者が最後に訪れるミュージアムショップでしたので、しれっと中に入らせてもらいました。


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円形の長いすに座って余韻にひたる見学者たち。
余韻にはひたれないので、写真を撮りまくっていたら、ちょっと嫌な顔されてしまいました(スミマセンでした)


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仕方なくパンフレットを買って帰ることに。

後でわかったことですが、豊島美術館の公式サイトで日時指定チケットというのを販売していて、予定に合わせてそれを取得していればこういうことにはならなかったのであります。でもまさかそこまで多いとは思っていなくて、今さら悔やんでも仕方がないのですが、情報収集が甘かったと反省。今後、混雑期に行かれる方は注意されてください。



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島内の移動手段には、徒歩、自転車(電動アシスト含む)、バス、そしてレンタカーがあります。中でもこの超小型電気自動車は人気なようで、道幅の狭い島内を二人乗りのこの電気自動車がスイスイと走りすぎる様を、この後、バス停で来ないバスを待ちながら「いいなあ」と横目で眺める破目になるとは。※料金は1日8,400円



島キッチン(設計:安部良)

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建物自体が作品でもあり、前回の第1回の時には、11月の連休で2時間待ちを記録したという人気のレストランでもあります。この日も自転車がたくさん停めてあって、若者たちで賑わっていました。


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写真では分かり辛いのですが、真ん中のテラスでは音楽やダンスなどのイベントやワークショップなども開催されているそうです。



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島キッチンの入り口。


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この建物の構造設計は、東京芸大の建築科金田研究室。料理は丸の内レストランのシェフが島のお母さんたちと協働し、地元産の魚や野菜を使った料理を提供しています。


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時間があればぜひ食べたかった。いつの日か、またリベンジだ。





唐櫃岡(からとおか)の村井戸/唐櫃の清水

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水道も冷蔵庫もなかった時代、「唐櫃の清水」は生活を支え、井戸端会議の場、信仰の対象として暮らしの中心にありました。正面は水汲み用、その両側の水は野菜や衣類のすすぎに使った後、洗濯場、おしめ洗い場へと流れていきます(ガイドブックより)


空の粒子/唐櫃(アート:青木野枝)

 
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唐櫃の清水の隣にある、貯水タンクを囲むアート。この作品の鑑賞ポイントは、このアングルからではなく、作品の下にもぐって丸く切り取られた空を見るのが王道らしい。


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清水前のバス停のところに今年新たに設置されたベンチ。コミュニティの拠点だったこの地ににぎわいを取り戻そうと、8月には何度かスイカのふるまいがあったそうです。


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豊島の中でも、唐櫃(からと)地区特有の石の積み方(だと誰かのブログに書いてありました)



美術館が見られなかったので、家浦港周辺のプロジェクトをゆっくり見るぞとバス停で待つこと約20分。定刻よりだいぶ遅れてバスが来た...と思ったら、止まらずにスルーして行ってしまいました。確かに結構いっぱい乗ってはいたけれど、バス停では7~8人も待っていたのに、何も言わずに通り過ぎることないじゃないか!!と一緒に待っていた若者たちと一緒になって憤る。だって次のバスは1時間後だぞー。みんなそれぞれの船の時間等があるわけで、憤ってばかりでは埒があかないと時刻表に書いてある連絡先(町役場)に電話すると、すみません臨時バスを出しますのでという何とものんびりした答え。こっちは分刻みで行動しているというのに......とイライラしながら待っていると、前のバスよりもたくさん乗ってるバスがやって来た。今度こそは乗り遅れまいと、寿司詰めのバスを押し寿司にするがごとく強引に乗り込んで、やっとこさ家浦港に帰りつきました。


本当はねー、そんなことにも目くじら立てないでいいような、それをこそ楽しめる位、時間に余裕のある旅をねー、したいんだけどね。




あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする/トビアス・レーベルガー

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海に面した空家をカフェに改造。店内の空間まるごとが作品となっている。内装は第二次世界大戦中の戦艦の迷彩を参考にした直線を基調としたデザイン。
カフェの運営はイルヴェント(フランチャイズ)が行っている。
中にいると少しクラクラしてきたが、それが「あなたを泣かせもする」って意味?だったりして。



豊島横尾館(建築:永山祐子 コンセプト、アート:横尾忠則)


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家浦地区の集落にある民家を改修してつくられた、横尾忠則の美術館。三連の大作絵画「原始宇宙」をメインとした平面作品11点と、円塔の中や、庭園に展開されるインスタレーション作品が敷地全体に広がって、生と死を一つのものとして考える場となっている(ガイドブックより)
この赤い色の謎は、入ってみないとわからない(笑)
横尾ワールド全開で、かなり面白かったです。


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迷路のような細い路地のあちらこちらでアートの展示が行われています。



100年の闇ほか/木下晋

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この受付と書いたくぐり戸をくぐって家に上がると、10Hから10Bまでの鉛筆を用いた、写真と見まがう細密な鉛筆画が展示してあります。


mountain project/石上純也

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御殿山エリアで予定しているプロジェクトの構想展を空き工場で実施。
かなり巨大なスケールのプロジェクトのようです。



スペシャルメイキング コートヤード

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今年の芸術祭に合わせてオープンした、テイクアウトをメインにしたカフェ。静かな島の夜空をイメージした「プラネットバケツ」というお弁当があるそうです。


このほかにもまだまだプロジェクトはたくさんあって、結局半分も周れなかった。
唐櫃港にある「心臓音のアーカイブ」や「遠い記憶」。それから甲生地区の方の「Big Bambu」「かがみ」などの作品も見てみたかったですね。




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何はともあれ、無事に直島への船に乗り、夕日に染まる瀬戸内海を見ながら、犬島と豊島を巡った一日を反芻していたら、あっという間に直島の宮浦港に到着。


海の駅「なおしま」(設計:SANAA)

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この日はベネッセハウスに宿泊しました。

ベネッセハウスにはホテルのシャトルバスがあって、これを使いこなすと広い直島も快適に巡ることができるのですが、実は港に着いて色々見て回っていたら、このシャトルバスにも乗り遅れまして、ホテルに電話して迎えに来てもらったという、バスに嫌われる一日でした。

明日はいよいよ見どころ満載な直島ですよ。
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神戸・瀬戸内への旅1
 8月の終わりに、神戸と瀬戸内の島へ短い旅をしてきました。

なぜ神戸かというと

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8月24、25日にワールド記念ホール(神戸・ポートピアアイランド)で行われた、斉藤和義20周年記念ライブに参戦するためでした。この記念ライブは神戸が2DAYS、さいたまアリーナが1DAYの3日間のみのもので、神戸の2DAYSとも行ってきました。大きな箱(2日とも6000人超)の割には音も非常によく、これまでの斉藤和義のライブの中でも1、2を争う出来だったのではと思える内容だったので、もう大満足でした。(8月25日のライブの模様が、WOWWOWで10/13に放映されます。もしかしたら私も映っている...かも)


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↑神戸ワールド記念ホール(写真撮るのを忘れていたので、ウィキペディアより拝借)



というわけで、ライブ三昧の神戸の夜でしたが、昼間は三宮界隈を少し散策してきましたので、ご紹介します。



兵庫県立美術館(設計:安藤忠雄)

神戸に行くことがあったら、ぜひここを見たいと思っていた安藤忠雄氏設計の美術館です。この美術館は、阪神・淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして平成14年にに誕生。前面の海に接するなぎさ公園と一体化して設計されています。 館内は、通路が巡らされ、建物そのものを鑑賞の対象とするような空間で構成されています。

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階段を延々と上ってたどり着く展示室というのは、高齢者や小さな子供さんにはちょっと厳しいかなとも思いましたが、そういう点を含めて、いろいろな意味で安藤忠雄さんらしい建物でしたね。

この日は、「ベルサイユ宮殿のスーパーセレブ マリー・アントワネット物語展」をはじめ、夏休み最後の日曜日らしく、子供向けワークショップがいくつも行われていて、雨天にもかかわらず、大勢の親子連れで賑わっていました。




フロインド・リーブ生田本店(設計:W.M.ヴォーリズ)

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この建物は、現在は神戸の老舗ベーカリー「フロインドリーブ」のカフェとして神戸の新しいランドマークとなっていますが、その歴史は古く、1929年(昭和4年)にヴォーリズの設計により、神戸ユニオン教会として建てられたゴシックスタイルの教会堂です。

以下記念碑より引用
「・・・その後居留地の歴史とともに歩むなか、1995年(平成7年)1月の阪神淡路大震災と過去幾多の災害にも遭いましたが、顕著な被害を受けることもなく教会建物としての使命を果たしてきました。1997年(平成9年)フロインド御夫妻の保存計画により、ジャーマンべーカリー固有の手作りパンの総合活動として施設の充実と改修工事を行い、1999年(平成11年)11月ここにこの建物の新しい歴史が刻まれました。また同年9月文化財保護法に規定する文化財登録の答申を受け、国際観光都市神戸に相応しい名所の1つとして新たに加わりました。」



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礼拝堂の解放的な吹抜け空間は、現在カフェスペースとして利用されており、女性客やカップルに人気のこのお店は、神戸のガイドブックには必ず登場しているほどです。また、この空間は映画やドラマの撮影でもしばしば使用されており、つい最近も上戸彩と飯島直子が出ていたドラマで見た、と妻が言っていました。




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神戸と言えば美味しいパン屋さんがたくさんあることで有名(さすがは旧居留地)ですが、このイスズベーカリーさんはフロインドリーブのすぐ近くにありまして、「こっちの方が美味しいよ」とタクシーの運転手さんにすすめられたお店です。実際に少しだけ買ってみたのですが、ドイツパンのフロインドリーブとはまた違った素朴な感じで、本当美味しかったです。

タクシーの運転手さんというのは、旅先では本当に頼りになる存在で、この日、三宮あたりで洋食を食べたいと言ったら、教えてくれたのがこのお店でした。


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欧風レストラン もん(昭和11年創業)

 美婦貞奇(ビフテキ)という看板が、神戸っぽいですね。



私はとんかつ定食、妻はオムライスをいただきました。
洋食の歴史を感じる味で、シンプルだけどうまかったです。お客さんも観光客というよりは、地元の常連さんが多い感じでした。
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デザイン紀行というよりグルメ紀行になっていますが、せっかく来たのだからライブだけではもったいないと、翌日と翌々日は、瀬戸内の島々で開催されている「瀬戸内国際芸術祭2013夏」で、直島をはじめとする3つの島を巡って、アートを堪能して参りました。

長くなりますので、その模様は次回アップしたいと思います。
| デザイン紀行 | 11:31 | comments(0) | trackbacks(0)
九州芸文館
 
JID(日本インテリアデザイナー協会)九州支部の総会が、筑後市の九州芸文館(隈研吾氏設計)にて行われたので行ってきました。ここは、九州新幹線の筑後船小屋駅正面にあり、4月にオープンしたばかりの福岡県の芸術文化交流施設です。

総会後、施設の説明を一通り受けましたが、土曜日なのに閑散としていて、まだ来る人といえば建築を見に来る人がほとんどらしく、広大な敷地と建物の規模に見合う費用対効果が得られるのかと他人事ながら心配になってしまいますが、隈研吾さんの素晴らしい建物ですので、知恵を出し合って有効活用してほしいものです。

















| デザイン紀行 | 11:44 | comments(0) | trackbacks(0)
TOKYO建築ツアー
4月13日(土)の東京は、建築を見て回るには絶好のお天気で、(株)サカイ主催で恒例となった東京建築ツアーに行ってきました。

(株)サカイ主催のデザインコンペには、第1回で入賞して以来(この時入賞者には副賞の建築ツアー参加権はなかったのを、無理矢理頼み込んでベルリンの建築ツアーに有料で参加させてもらって以来)ほぼフル参加させていただいているのですが、それは個人ではなかなか見せてもらえないところも見ることができるという点に加えて、参加者の方々(建築や商業施設のデザイナーや施工関係者)との交流が楽しくて、病みつきになっているからです。

今回も、東京や大阪よりたくさんの同業者が集まっていて(九州からは私一人でしたが)、楽しく、刺激に満ちた1day tripとなりました。


工学院大学八王子キャンパス・千葉学氏設計
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多摩美術大学図書館・伊東豊雄氏設計
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↑ここに写っている家具は、建築ツアーでいつもご一緒させていただいている、藤江和子先生デザイン。今回も直にレクチャーをいただきながらのTOKYOツアー、勉強になりました。


大学セミナーハウス・吉阪隆正氏設計
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武蔵野美術大学図書館・藤本壮介氏設計
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前川國男邸・前川國男氏設計
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| デザイン紀行 | 10:34 | comments(0) | trackbacks(0)
プラハ・ブルノ・ウィーン東欧建築の旅 テルチ・ブルノ編
4月15日 プラハ→テルチ→ブルノ

この日は何と言っても、ブルノにあるミースの「トゥーゲンハット邸」が最大の目玉だが、その前にプラハ郊外のジャン・ヌーベルデザインの商業施設を見学、そしてブルノまでの通り道にある世界遺産、テルチの街を観光し、夕方ブルノのトゥーゲンハット邸へというスケジュール。


PRAHA Andel:by Jean Nouvel  1997

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まずは、フランスの建築家ジャン・ヌーベルの作品「プラハ・アンデル」。
Andelというのはチェコ語の天使。地下鉄の最寄駅「アンデル駅」にあやかっての命名らしい。

さらにジャン・ヌーベルは映画監督のヴィム・ヴェンダースと友達で、彼の代表作「ベルリン天使の歌」が天使の物語であることから(私は見ていないので詳しくは語れませんが)、登場人物の天使ダミエル(俳優:ブルーノ・ガンツ)の姿を、丸みを帯びたコーナーのガラス面に、大きなシルクスクリーンで表現している↓

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コーナー部のガラスの壁一面に、人間の天使、ブルーノ・ガンツの姿が宿っているのがおわかりでしょうか。



そして一行は一路テルチの町へ。

<Telč テルチ>

プラハとウィーンのほぼ中間、ボヘミア=モラヴィア高地に位置するテルチは、「モラヴィアの真珠」と称えられる町。12世紀に築かれた町は1530年の大火で焼失したが、町の再建を決意した市長ザハリアーシュの呼びかけに市民が協力し、ルネッサンス様式と初期バロック様式の建物が再建され、中世の町並みが今も残る世界遺産の歴史地区。

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ザハリアーシュ広場。建物はすべてルネッサンス様式と初期バロック様式。
天気がいま一つだったのがちょっと残念。


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上の三つの写真とも「スグラフィット技法」で建物に絵のような装飾を施してある。これは左官によるコテ仕上げの一種で、二重に塗った色違いの漆喰の上塗部を削り取ることで様々な模様を描いたもの。この装飾はテルチに限らずプラハなどでもよく見かけた。


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広場の向こうはテルチ城とイエズス教会。


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建物の1階部分はすべてアーチ型のアーケードとなっており、様々なお店が軒を並べている。


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広場にある噴水のマリア像。


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テルチ城とその前庭。


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この日のお昼は、ザハリアーシュ広場にあるこのホテルのパティスリーで、スウィーツランチ。


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カプチーノとケーキで結構お腹一杯になったところで、いよいよブルノへ。



<Bruno ブルノ>

Villa STAISNNY by Ernst Wiesner, 1927-29

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エントランス


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エルンスト・ヴィースネルの「ヴィラ・スティアスニー」は当地では最大の邸宅で、トゥーゲンハット邸のオーナー・トゥーゲンハット氏が当時、自邸建設の参考にと見学に来たが、彼はヴィーズネルに頼まずミースを選んだ。「スティアスニー」の様式がかった大振りなつくりは、ミースの「Less is more」の美学には遠く及ばないからだ....と建築ジャーナリストの淵上正幸さんがブログでおっしゃっているように(淵上さんすみません、ブログから拝借しました)、20世紀の巨匠ミースは、やはり役者が数枚上なのだ。


Hotel Avion  by Bohuslav Fuchs,  1928
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Bank of Moravia  by Bohuslav Fuchs & Ernst Wiesner, 1928~30
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上の写真2つは、チェコの代表的建築家であるフックスの機能主義建築



そしてついに到着しましたトゥーゲンハット邸

トゥーゲンハット邸は、シカゴで見たファンズワース邸よりも前の作品であり、ミースの機能主義的建築物として、完成当時はモダニズム建築にとっての一種のアイコン的存在であった。その後ナチスの迫害を恐れたトゥーゲンハット一家は、スイスへと移住し、この邸宅は戦争中はドイツ人に、そして戦後はロシア人に占領され、その間に大いに荒らされたという。

その後、チェコスロバキアの国有となり、歴史的文化財の指定を受けて修復が始まったが、冷戦下のチェコスロバキアにとってオリジナルの高級材を調達することは至難の業であったようだ。
1992年にチェコとスロバキアが分離独立を決めた際に、調印式が行われた歴史的場所でもある。
2001年、ユネスコの世界遺産に登録。

Tugendhat Residence by Ludwig Mies van der Rohe 1928~1930
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手前の白い椅子がこの邸宅のためにミースがデザインした「トゥーゲンハットチェア」。真ん中のガラスのテーブルも「トゥーゲンハットテーブル」(バルセロナコーヒーテーブルと呼ばれることもある)として、現在もポピュラーな作品だ。向こう側の緑色の椅子は、1929年のバルセロナ万国博覧会の際、スペイン王国夫妻臨席の為に作られたバルセロナチェア。


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上の赤茶色の椅子は、トゥーゲンハット邸のためにデザインされた椅子の中でもっとも有名な「ブルーノチェア」


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この白い椅子は、ブルノチェアのフラットバーの代わりにステンレスのパイプを使った「チューブラチェア」。私も黒い革張りのものを一つ持っています(私のはknoll社製ですが)


これでチェコ編は終わりです。

やはり、トゥーゲンハット邸は素晴らしかったです。かなりの豪邸で、随所に贅を尽くしてあるわけですが、ディテールの一つ一つがシンプルでカッコイイんです。あの時代にそれをやったミースは、やはり天才です。そしてシカゴのファンズワース邸は彼が行きついた、Less is moreの最終形ですね。  



次回はウィーン編となりますが、ウィーンでは何といっても、完成後間もない時期に宿泊できて超ラッキーだったホテル、Sofitel Vienna Stephansdom by Jean Nouvel, 2011 をはじめ、新旧織り交ぜて素晴らしい建築が目白押しですので、しばし...お待ち下さい。
| デザイン紀行 | 11:06 | comments(0) | trackbacks(0)
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